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【生命科学コース】学部4年の森翔太君が若手学術奨励賞を受賞しました。

印刷用ページを表示する 2024年10月30日更新

学部4年の森翔太君が第29回日本生殖内分泌学会 若手学術奨励賞を受賞しました。

発表題目、所属と受賞した内容については以下のようになっています。

 

【発表題目】

「顆粒膜細胞におけるグルコース依存的な排卵制御機構の解明」

【受賞者の所属】

生物資源科学部 生命環境学科 生命科学コース

動物生殖生理学研究室

指導教員 山下泰尚 教授

【解説】

 哺乳動物の卵巣ではLH受容体のある顆粒膜細胞にLHが作用するとEGF様因子(EGF-like factor)が分泌され,これらがプロゲステロン合成酵素の発現を亢進し,これによりコレステロールからプロゲステロンが合成され排卵や黄体化が誘導されることが明らかにされています。動物生殖生理学研究室では,マウスを用いて排卵期の顆粒膜細胞に発現する遺伝子のトランスクリプトーム解析を行なった結果,卵胞発育期から排卵期にかけて脂質転写因子であるSREBPが発現することを見出しました。

 肝臓におけるコレステロール新規合成経路の活性化メカニズムは,高脂血症などと関連することからよく調べられています。炭水化物をとると太るとよく言われますが,このことがコレステロール新規合成経路の活性化に必須です。炭水化物を摂取し分解産物の糖(グルコース)の血中濃度が増加すると,筋肉や脂肪ではこの余計な糖をその他の物質(特に脂肪)に変換する糖質代謝メカニズムがSREBPにより高まることが近年明らかになりました。本研究では卵巣においても上記の経路が活性化するのかを検証した結果,排卵刺激後の卵巣ではグルコースの取り込みが増加し,これをコレステロールに変換し,コレステロールから合成されるプロゲステロンが卵子成熟と排卵に極めて重要であることを初めて明らかにしました。

 第29回日本生殖内分泌学会では,グルコースによる卵子成熟と排卵を誘導するための新たなメカニズムを解明したことが高く評価され,若手学術奨励賞を受賞しました。

動物生殖生理学研究室 教授 山下泰尚

 

受賞1
受賞2