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森 大志 (教授,医師) 脳神経科学🌳🌳🌳
私たちが行う様々な運動は脳によってコントロールされています。したがって、脳がどのように運動をコントロールしているかを正しく理解し、病気やケガで苦しんでいる方々の運動機能回復のお役に立てるような研究を進めています。また、最近は仕事に従事している人の健康への作業療法士の関与の影響についても研究を開始しました。
「多いに遊び、多いに学ぶ」ことを大切にしています。メリハリのある学生生活を送ることは社会に出た後にもきっと有益な経験になると思います。また、研究を行う上では頭で考えるだけでなく、実行し、失敗したなら何が問題かを考え、改善するというスタイルを実践しています。さらに実験から得られた結果を客観的に評価する力、それらに基づいた論理的思考を養うことも大切な目標です。
卒業研究テーマは、学生一人一人と相談して決めていくので自分がしたいと思う研究をすることができます。実験は教員を含めたゼミメンバーで行います。
(現在の取り組み)
現在(2025年度)は4年生2名が在籍し、島嶼部在住の高齢者の外出行動に関する研究や人の性格特性がバーチャルリアリティー運動に影響するのかといった卒業研究を進めています。学生が自分でチャレンジしてみたいと思って実施したこれまでのテーマは次の通りです。
過去5年間の卒業生の取り組み
年度 |
研究テーマ |
2025 |
島嶼部における高齢者の外出行動と公共交通の利用実態に関する調査 バーチャルリアリティー運動の効果と性格特性との関係 |
2024 |
共同作業への感情による親密度の影響 バーチャルリアリティーと運動?精神活動 |
2023 |
“作り笑い”と“感情からの笑い”が脳にもたらす効果 自己,他者から“褒められる”行為による自己肯定感への影響 |
2022 |
流涙によるリラックス効果 音楽視聴が作業効率に及ぼす影響についての検証 |
2021 |
睡眠姿勢による作業課題,バイタルサインの変化
動物動画視聴によるリラックス効果 温かい飲み物とリラックス効果~生理的反応と主観的評価~ |
大学院研究では、これまで主に「脳による運動機能発現に関する研究」を実施してきました。最近は「企業の健康経営に関する研究」も加わりました。いずれの研究も作業療法士、理学療法士として臨床場面で疑問に思われたことを実験的に検証しようとするものです。研究成果は国内外の学会や研究会で発表し、論文化しています。優秀研究賞や学会研究奨励賞を受賞した院生?共同研究者もいます。また親しい研究グループが集まって各地で研究会も行っています。写真は三原市の佐木島で行われた研究会と札幌市で開催され国際学会での発表の様子です。会後には参加者で楽しいご苦労様会を開いています。
これまで「三原シティーカレッジ」で小中学生を対象とした「体を動かす筋肉について知ろう」や大人を対象として「排尿トラブルを理解する」を開催しています。子供達は自分の手足の様々な動きに応じて筋肉が活動する様子を「目」と「耳」で観察します。子供たちに身体への興味を持ってもらうきっかけになればと考えています。今後も学部教員や学生の協力を得て実施していく予定です。
森大志教授の研究業績は,研究者紹介(森大志)を参照ください。